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「あきんどPLAZA」の事務局です。今年度第5号のメルマガです。 さて、9月26日は「ワープロの日」です。1978年のこの日に東芝から世界初の日本語ワープロが発売されました。価格は630万円、重量は180kgもあったそうです。私も記憶にありますが、最初にさわったワープロは事務用デスクにデスクトップパソコンがくっついたような、それは大きなものでした。その後、各社の開発競争で小型化・低価格化・多機能化が進み、1989年には年間出荷台数271万台、類型販売台数1,000万台とピークを迎えました。皆さんもご存知のとおり、その後パソコンに主役の座を奪われ、2000年にはピーク時の10分の1に落ち込みました。そして、2002年には全てのメーカーが日本語ワープロ市場から撤退するに至っています。こうして見ますと、わずか20年程度でライフサイクルを終えたワープロですが、私達が現在使っているパソコンや携帯電話のかな漢字変換機能に果たした役割は大きいのです。私達日本人にとって、ワープロの日は特別な日ですね。 それでは今回は以下のメニューでお届けいたします。今回から「小さなお店でもできるマーケティング・店づくり」と題して、小規模な店舗でも工夫次第で可能な店づくりについてアドバイスいただきます。ご執筆は株式会社キャラウィット代表取締役の米澤先生です。 また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。
■強い危機感が行動に 『ささはたドッとこむ』は、東京都渋谷区笹塚・幡ヶ谷・西原の10商店街が合同で、平成11年に開設したホームページです。 渋谷区といっても、テレビによく登場する渋谷駅前の繁華街や原宿などの全国的に有名な街並みとは違い、笹塚駅・幡ヶ谷駅を降りると商店街があり、商店街を抜けると住宅街が続く生活中心の町です。観光名所も地場産業も特産品もブランドショップもない暮らすための町です。
そんな暮らす町の10商店街が、ホームページを活用した合同事業を開始した背景には、『地元のお客様が新宿や渋谷などの繁華街に流れてしまう』、『何か行動を起こさなければ状況は変わらない』という強い危機感があったからです。 ■「ささはたドッとこむ」の目的 笹塚・幡ヶ谷地域に住む方に、商店街や商店を知ってもらうこと、愛着を持ってもらうこと。それが、結果的に商店での購買や利用に繋がり、地域や商店街・商店の活性化という効果を生みます。そのための道具・舞台として「ささはたドッとこむ」を開設するのですから、たくさんの住民に一回限りではなく、幾度も見てもらい利用してもらえるホームページにしなければ意味がありません。 ■「ささはたドッとこむ」の特徴 観光名所や特産品などが全くない生活中心地域のホームページが、住民に何を提供できるか、どのような特徴・売りを構築できるかを考えた結果、『地域内のことなら何でも分かる』『困ったときの「ささはたドッとこむ」頼み』と思ってもらえるようなホームページづくりをすることにしたのです。 10商店街の加盟店約700店舗の情報が、業種・店名・地図・商店街別に検索できるようにすると同時に、地域内の病院・保育園・幼稚園・図書館・スポーツ施設・福祉施設などの公共的情報を住民視点で編集網羅し、商業情報と公共情報がワンストップサービスできるホームページを構築しました。 ■ホームページの効果 ホームページによる効果は、テレビや新聞のようにすぐに出るものではなく、じわじわとボディブローのように出てきます。数字で表現できない効果の方が実は多いのですが、地道に継続していくことで次のような数字で表現できる効果も出るようになりました。 加盟店約700店舗を対象としたアンケートでは、約59%のお店が「ささはたドッとこむ」による効果があると答えています。「ささはたドッとこむ」で紹介したことがきっかけで生産量が3倍になった商品もあります。 また、読者アンケートでは、98%の人が「知らなかったお店を知ることができた」、90%弱の人が「商店・商店街を身近に感じるようになり、町への愛着を持つようになった」と答えてくれるまでになりました。 「買ってください、来てください」的な広告を見せるのではなく、徹底した情報サービスの姿勢を貫き、人の体温を感じてもらえるようなホームページづくりを心がけてきた結果だと思っています。 ▼商店主アンケート結果 Q.「ささはたドッとこむ」で、お客様の反応・効果はありましたか? ▼読者アンケート結果 Q.「ささはたドッとこむ」を見るようになって、変わったことはありますか? ■道具の使い方を勉強しよう ホームページは特別な技術を持った人でないと上手く使えないとか、特別な商品を持っていないと効果が出ないなど、ホームページに取組むことを否定してしまっている方、いませんか? そのような方にこそ申し上げたいのは、今の時点で、インターネットの持つ可能性を低く評価するのは早計だということです。低い評価をしている方こそ、インターネット・ホームページという道具の使い方の勉強や研究が不足しています。 商店街や商店にとって厳しい時代だからこそ、新しい道具の勉強・研究を行い、ぜひ、地域や商店街のチカラにしていただきたいと思います。 7月末から今回まで5回にわたって、『地域サイトネットワーク』のメンバーが、現場からの連載をさせていただきましたが、寄稿したメンバーも最初からプロだったわけではありません。勉強・研究を重ね、経験を積んで実績を残せるようになりました。 私たちに出来たことが、みなさんに出来ない理由はないはずです。どうか、勇気と諦めない気持ちを持って、前向きに進んでください。そうすれば、必ず道は開けます。
看板と店頭チラシのあわせワザで来店につなげよう ■店頭はお客様との出会いの場 だれしも、何気なく看板を見かけたり、店頭でチラシを手にとったのがきっかけとなってお店に行った経験があるのではないでしょうか。IT社会であっても、お店にとって看板やチラシは不滅の武器なのです。 お客様は、意外にお店のことを知りません。毎日店頭を通っていて、お店がそこにあるのは知っていても、入店するきっかけが無いとなかなか入りにくいものです。よく「ここにお店があるのは知っていたけれど、3年目にして初めて店に入ったわ!」ということがあります。 店頭はお客様との出会いの場です。人間同士でも、初めて会う相手には名刺交換をして自分を紹介しますね。それと同様、店頭を見ただけで「何屋さんか」「何という名前か」が分からなくてはまず話になりません。これを知らせるのが看板の役目です。 また「いまこれがお買得」「今月からこのサービスを始めました」とサービス内容やアピールポイントを分かりやすくまとめて情報発信してあることで、フリーのお客様の“衝動来店”が促せます。これが店頭のPOPやチラシの役目です。 お店がOPENした時、新商品を発売した時、新しいサービスを始めたとき……等々、なにか“新しいことが起きるとき”は、お客様に宣伝する絶好のチャンスです。せっかくのチャンスを活かして、お客様の足を止める工夫をしてみましょう。 ■看板とチラシのアワセワザでお客様増加 「癒しのサロン アロマフィールド」(横浜市泉区弥生台25-1、TEL045-813-0233)は、相鉄弥生台駅から徒歩3分の場所にあります。「眼精疲労回復エステ」「芝山式ハンドエステ」「ヘルシー耳つぼダイエット」など、女性に魅力的なアロマセラピーおよびエステティックサービスを提供しています。 ビルの2階に立地しているため、通行客からみてやや視認性が低いのですが、広告宣伝で工夫をすることでお客様の入店を上手に促しています。 (1)窓ガラスにカッティングシート サロンの窓に外部から見えるよう大きな店名を貼付 (2)設置看板 1階から2階へあがる階段下に看板を設置 (3)案内表示 1階から2階へあがる階段の壁面に誘導看板を設置 看板を設置した1階には横浜銀行のATMがあり、お客様がたまに行列を作って並んでいました。経営者の萩原弥生さんは、ここで並んでいるお客様が気軽に手に取れるような3つ折のニューズレターチラシを作り、看板に添えておきました。チラシの第一号では、最近話題のゲルマニウム温浴をタイトルとして取り上げました。すると関心の高い女性客の目を引き、チラシはあっという間になくなりました。 お客様は持ち帰ったチラシを大切に保管してくださっていて、1ヶ月後ごろからサロンへの問合せが急増したそうです。萩原さんがお客様の動きを観察していたからこそ気づいた効果的なチラシの投入方法といえるでしょう。 「アロマフィールド」では、店頭だけでなく店内にも丁寧なサービスガイドが置かれています。いずれも、萩原さんがお客様に伝えたいことをわかりやすくまとめたものです。広告宣伝に対しては大変積極的で、情報誌広告、駅広告などをコンスタントに行い、お客様への認知度アップをはかっています。エステサロンは、やや敷居が高い印象を与えがちですが、当店は「気軽に行ける」サロンとして認知されています。 ■まとめ 「チラシは効果がない」「看板を出さなくてもうちのお店はよく知られている」という事業者の方がいます。でも、何もしなかったら、お店からのメッセージは永遠に伝わりません。特に“今、知っていただきたい”旬の情報を常に発信することは欠かせません。フレッシュな情報が送られることで、お客様は「あのお店は楽しそう」「気軽に行けそう」→「行ってみたい」という気になるのです。
商店街の活性化のために、それぞれの商店街で独自の取組が行われております。その中でも、特にユニークで独創性豊かな取組を実施されている商店街をご紹介します。 大阪の中心地、梅田からすぐのところに立地する福島聖天通商店街は、とてもユニークな取組で、大阪のみならず、他府県からも多くの人々を惹きつけています。 ■福島聖天通商店街について JR大阪環状線福島駅前北側に位置する東西約330mの商店街で、135店舗で構成されています。聖天さん(聖天了徳院)の参詣道として古くより発展した商店街です。アーチ、街路灯はともにUFO(遊歩)をイメージしています。 聖天通の名の由来となった聖天さんは(福島聖天了徳院)は、江戸時代の占いの大家、水野南北の信仰が厚かったお寺。これにあやかり、占いの街として売り出しました。今や、人気の占い通りになり、全国的にも有名になってきました。 ■背景 戦前は聖天さんの参詣道として大いに賑わい、心斎橋、九条新道、十丁目筋(現天神橋筋)とともに、大阪の4大商店街と言われました。しかし戦後はありふれた駅前商店街となり往事の賑わいは失われてきました。都心人口の減少、流通構造の変化、消費者購買行動の変化に対応しきれず、商店街での集客数は減少する一方でありました。個店だけの自助努力だけでは解決できない課題であり、商店街全体の魅力向上による活性化策が必要な状況にありました。
■「売れても 占い商店街」のご紹介
これは、特筆すべき規模と内容ですので、臨場感を味わって頂くために、以下にその場でのリアルな体験を記述します。 平成17年8月26日(金)午後6時から午後9時まで(占いは午後3時から午後8時まで)、今年で30年目になる「夏の風物詩 夜店」(占い開催が加わってからは3年目)という夏祭りが催されました。 福島聖天通商店街は東西に延びていて、夏祭りの出店は東側(JR環状線・福島駅側)に占い師のゾーンが集中していて、片や西側には金魚すくい、かき氷、焼鳥屋等、いわゆる「屋台」的な出店が集中していました。 東側の占いゾーンにはプロの占い師が遊歩道の3m毎にいて(その数約30名)、手相、陰陽五行易、姓名判断、タロット、四柱推命など様々な手法の占いが見られました。厳かな雰囲気を醸し出すためか、東側の照明は全体的にやや薄暗く演出していました。客層は10代から20代の女性が大半でした。 占いゾーンのお客さんにはお目当ての占い師がいてやってこられる人も多いようです。そこで、商店街東側ゾーンに中央周辺には夏祭りに参加している占い師が一堂に張り出されていて、そこでまず占って欲しい占い師の予約をします。1回の占いにつき、2000円(第4金曜日のみ半額1000円)。この値段が高いか安いかは、その占いの当たり外れ次第かも知れません(評判によると、よく当たるとのことです)。
■さらにはこんなことにも取り組んでます 福島聖天通商店街の他にはない活動は占いにはとどまりません。福島が商人について論じた福沢諭吉の生誕の地であることにちなみ、「なにわ商人体験」という、修学旅行の小中高校生を対象にしたプログラムを実施しています。参加生は、商店主からの商人講話受講、自分たちの地元の特産品等の体験販売と観光PR、占い大楽(だいがく)での手相の勉強をすることができます。特に、修学旅行生の地元特産品の商店街における体験販売や駅での地元観光PRについては、事前に直接生産者等から十分な知識を得た上で宣伝用POP等を持参して来るなど、とても熱心かつ真剣に販売・PRを行うため、先生が生徒の頑張りにウルウルと感動してしまうことが多いそうです。落語家のサポートも得ながら、特産品は毎回完売するとのことです。 ◇以上のように、福島聖天通商店街はとても魅力的なさまざまな取組をされておられます。一度、是非、行ってみて下さい。とってもキモかわいい(失礼しました。かわいいです。)マスコットキャラクター「うららちゃん」にも会うことができます。 (ご参考)福島聖天通商店街のホームページ
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