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「あきんどPLAZA」の事務局です。 今年度第19号のメルマガです。3月10日は様々な記念日です。ざっと次のとおりです。
他にもあるようですが、これくらいにしまして、「砂糖の日」が気になります。3月14日はホワイトデーですし、お菓子関連のお店は大忙しの1週間ですね。 それでは今回は以下のメニューでお届けいたします。今回と次回の連載としまして、商店街のまちづくりイベントにつきまして、事例を交えて考えてみたいと思います。ご執筆は、株式会社地域生活総研バリーオの田邊先生です。 また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。
■ご挨拶 2回の連載で、商店街が実施するまちづくりのためのイベント(以下、「まちづくりイベント」とする)についてご紹介します。よろしくお願いします。 ■1.はじめに~まちづくりイベントと商店街~ 商店街では駐車場や街並み整備、並びにコミュニティ施設の建設などのハード事業と、イベントやスタンプなどのソフト事業があり、その両方が程よく融合することで集客化や固定客化といった効果が発揮される。それらの様々な事業の中で、イベントは集客のための有力な手段であるといわれ、地域顧客とのふれあいづくりの場としての役割も期待されている。そして最近は以前にも増して、地域顧客と一体感あるふれあいづくりと、商店街を超えた地域社会全体の発展を見据えた、より広い視野に立っての取り組みが求められるようになってきている。というのも、言うまでもないことだが、商店街は地域に密着して生きていて、商店街が独り舞台を演じても、その発展にはおのずと限界があり、それ故に疲弊した地域社会の元気を喚起する役割を担うことが期待されているのである。そのため、商店街は商業的なイベントを超えた「まちづくりイベント」を行い、地域との共生を目指すことになる訳である。そこで、以下に「まちづくりイベント」の企画立案及びその実施・運営の要点をまとめた。 ■2.開催のきっかけ 一般的に「まちづくりイベント」を開催するきっかけは、地域の現状に対する問題意識によるところが大きいといわれる。現在、全国各地で住民の交流が減り、地場産業が衰退し、伝統技能や祭り、並びに地域ならではの生活や文化も崩壊の危機にあり、環境や子育てなどの問題も抱えている。それらに対する問題意識が「まちづくりイベント」を開催するきっかけになっている。地域と共生関係にある商店街は、ともすると簡単に撤退してしまい地域に寄生していたのではないかとさえ疑いたくなるような外部資本の大型店とは違い、地域が壊れれば共倒れになってしまう。だから、その当然の帰結として商店街は「まちづくりイベント」を志向することになる。 ■3.開催目的とイベントの効能 ところで、「まちづくりイベント」の目的には商店街や地域社会の活性化を図るという主催者側の目的と、地域住民として有意義な楽しい時間を過ごしたいという参加者側の目的がある。つまり、「まちづくりイベント」の目的には2つの要素が共存しているといえるが、この「まちづくりイベント」を行政が主催する場合には、どうしても四角四面な進め方になりがちで、この2つの目的のすり合わせが難しい。しかし、商店街が中心になって開催する「まちづくりイベント」は「商売」には「笑売」という当て字が似合うように、「楽しみ」を求めている参加者の期待に応えようとする素地が十分にある。そして、ステージ・ショー、コンテスト、展示会・作品展、カルチャー、競技、クイズ、並びにセールなど、イベントには様々な形態があり、したがってイベントは多様な時間を参加者に提供することができる手段ともなっている。その上、イベントは様々なハード整備やソフト事業との組み合わせも可能で、地域計画の推進、施設整備の促進、施設の活用、地場産業の育成、観光資源の創造、並びに人材育成などといった事業と組み合わせての効果が期待できるのである。 ■4.核となる地域資源 さて、「まちづくりイベント」の鍵を握るのは一体何であろうか。それは、その地域ならではの地域資源であるに違いない。地域にはその地域にしかない歴史、文化、自然、並びに人材などがあり、その地域に住む人はその土地に生かされて暮らしている。したがって、地域資源は地域づくりの核になりうる。また、そうした地域へのこだわりは、地域外へ情報発信をする力となり、地域内のアイデンティティを醸成することにもつながる。そして、そういった地域らしさへのこだわりを地域住民と共有することによって、商店街と地域顧客とが同じまちづくりの一員となり、その結果として連帯感も生まれてくる。そこで、ここに「まちづくりイベント」を企画するための道具として、地域資源の一覧表を示した。
■5.コンセプトの立案 それでは次に、「まちづくりイベント」をどのように組み立てて、どのように方向付けをしていくかである。物語性のある魅力的なイベントには練られたコンセプトが必ずといっていいほどある。ちなみに、コンセプトとは、"イベントを貫く共通の概念"といったもので、例えば、理念、方針、目標、テーマ、並びにイメージなどが含まれている。いわば、"イベントの主催者がそのイベントによって表現しようと意図する思い"といったものである。そして、そのコンセプトの核になるのが地域資源である。例えば、秋田県六郷町(現:美郷町)の中心市街地活性化のコンセプトは、「名水を愛し守る六郷のまちづくり」であり、「清水」という地域資源に着目して地域への思いを明快に絞り込んだ。そして、イベントのコンセプト・テーマを「清水の祭典」として、「水・みず・MIZUフェスティバル」や「水かけ祭り」などの「まちづくりイベント」を多数開催している。このように、優れたコンセプトは、簡潔に短い言葉で誰にでも分かるように表現したもので、そのままイベントの名称やテーマ、あるいはキャッチフレーズにもなりうる。(写真:水かけ祭り)。ちなみに、六郷町の観光客数は平成7年頃には年間2万人程度であったが、平成16年には60万人を超え、名水を活かしたTMOの地場産品「ニテコサイダー」の販売も順調に伸びている。また、湧水巡りと商店街のそぞろ歩きをテーマに制作した絵地図「名水マップ」は全国まち歩きマップコンテストでNHK賞を受賞した。 (次号に続く)
気持ちがよいのは“きれいな売り場” お客さまが気持ちよく買い物できる売り場は、“きれいな売り場”です。クリンリネス・清潔感、陳列の美しさ、カラーコーディネートの巧みさ、適切なPOPなどによってきれいな売り場が作られます。 ■クリンリネス どのようなお店でも、クリンリネスは基本です。床の清掃はもちろんのこと、棚のひとつひとつにおいても常にクリンリネスを心がけなければなりません。 何年か前ですがある薬局に行ったときのこと、まず白衣の汚れが気になりました。よく見ると、店頭に置かれている飾りの人形にも埃がたまっていました。陳列棚にも埃がたまり、商品陳列も乱れていました。これではお客様が離れてしまうのも当たり前です。 忙しさにかまけて、ついついクリンリネスがおろそかになっているという事例は少なくありません。あなたのお店はだいじょうぶですか?もう一度お店を見回してみてください。 ■陳列改善効果の例 あるスーパーで、カテゴリーマネジメントによる売り場改善をしました。カテゴリーマネジメントというのは、POSデータを活用して、お客様にとって買いやすい売り場作りをし、カテゴリーごとの売上や利益を最大にしようという取り組みです。 カレーとシチューの売り場を例にしますが、売り場分析のときに一目でわかったことは、(1)商品の分類が明確になっていない、(2)商品に関する情報発信がないということです。具体的には3本の棚がありましたが、(3)欠品もあり、(4)陳列フェース面はガタガタで、(5)POPもありません。その3本の棚を棚別に売上や利益を分析し、新しい棚割りをして陳列を変更しました。 そのときに留意したことは、(1)棚ごとに商品分類を明確にしたこと、(2)棚の上から下に向かって小さいものから大きいものへと大きさを揃えたこと、(3)なるべくシリーズ商品やブランド別に揃えたことなどです。棚にはかなり誇りがたまっていて、陳列換えのときには、商品を取り除いて(4)きれいに清掃しました。また、(5)新商品や店長お勧め商品などのPOPを工夫しました。 その結果として、翌月のカレー・シチューの売上は123%のアップ、利益は157%もアップしました。この要因として、POSデータを活用して利益商品に入れ替えをしたことが大きいのですが、陳列を美しく整えた効果も大きいと思います。 ■工夫されたPOP・陳列の例 次に掲げる写真はオーストラリアのある市場でみた肉屋です。店頭のPOPも面白くカラーコーディネートも目立ちます。そしてひき肉の飾り方は実に見事だと思いませんか。 この市場は、一般市民が日常的に買い物にくる普通の市場です。市場というとなにか雑然とした売り場をイメージしてしまうのですが、ここでは、精肉店、鮮魚店、青果店、土産物店その他どのお店見ても、カラーコーディネートも巧みで実に見事な陳列がされていました。
■柳原通商店街とは 柳原通商店街振興組合(名古屋市北区)は、名古屋城の北東・テレビ棟の真北に位置する商店街である。商店街の歩道上にアーケードが設置されており、食品や生活衣料など最寄品を取り扱う店舗を中心に約90店が営業を行っている。商店街の歴史は比較的古く、昭和37年に愛知県では1番目、全国でも2番目に商店街振興組合を設立したことでも知られている。 柳原地区一帯は古くから城下町として栄え、戦後は市営・県営・公務員住宅が建設されるなど住宅街として発展、柳原通商店街も多くの買物客で賑わったが、昭和40年代以降の地下鉄の開通や近郊への大型店の進出に伴って徐々に人通りが減少、空き店舗の存在も目立つようになってきたものの、商店街として有効な対策を打つことができない状態が続いていた。 ■柳原通商店街に「遊モア」(子育て支援施設)開設 きっかけは、特定非営利活動法人子育て支援のNPOまめっこから、「商店街内の空き店舗を活用して子育て支援施設を開設したい」と相談を持ちかけられたことにあった。商店街の岩田理事長をはじめ商店街関係者は当初、子育て支援施設の必要性を理解することができなかった。しかし、まめっこ理事長の丸山氏から、子育ての環境が昔とは大きく変わり、社会と接点を持てずに孤独な育児に悩む母親が存在すること、地域で子育て支援を行っていくことの重要性についての話を聞き、また、「子育て」を切り口とした新しい機能を持つことで、商店街に「従来とは違う新しい層の来街者=若年の主婦層」を呼び込むことができるのではないかとの期待もあったことから、「遊モア」開設に向けて商店街も協調体制を整えることとなった。 ■商店街が少しずつ変化しはじめた 自然な素材を使ったおもちゃを用意して他の子どもと一緒に遊べるスペースや親同士が交流する場の提供を行う「広場事業」と6ヶ月児から5歳児までを対象とした「一時保育事業」の2事業を柱とする「遊モア」が開設すると、最初の半年間でテレビや新聞等マスコミからの取材が30件を超えるなど、商店街への注目度がアップした。その結果、来街者に「柳原通商店街は元気がある」という印象を与えることができ、さらに商店主自身に「柳原通商店街は変わりつつあるのでは?」という心理的な変化をもたらすこととなった。 この変化に敏感に反応したのが、女将さん達である。柳原通商店街にはそれまで女性部はなかったが、自分達にも何かやれるはずと、「ff(ふふ)の会」を結成、商店街のイベントに参加したり、他の商店街の取り組み事例の視察を行うなど、積極的に活動を始めた。 また、商店街を親子連れが通るようになったのを見て新商品の開発に着手、親子が一緒に食べられるというコンセプトの「親子弁当」を新発売して新規顧客の獲得に成功した意欲的な弁当店も現れた。 ■「全ての人にやさしい街」・「福祉施設の充実した街」へ 「遊モア」ができて商店街の関係者が子育てについて考える機会をもったことから広がって、お年寄りにも利用していただけるような施設を作って「赤ちゃんからお年寄りまでみんなにやさしい街・柳原」を目指していこうという新しい発想も生まれた。さらに将来的には、障害を持った人たちにも役立つ施設を商店街に誘致することで「福祉施設の充実した街・柳原」へと変化していく構想も温めているとのことである。 「「遊モア」の開設により劇的に通行量が増えたり、まして商店の売上が劇的に増加することなどはありえないし、最初からそのようなことは期待していなかった」(岩田理事長談)ということであるが、商店街に変化の兆しが生まれると同時に商店街の将来像を描くことができた点において、柳原通商店街にとって「遊モア」効果は非常に大きなものとなったようだ。 柳原通商店街は独自のホームページを開設されていませんが、組合員の洋菓子店「トリアノン」さんのホームページでその歴史や特色をご紹介しています。 詳しくはこちら! 「遊モア」のホームページはこちら!
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