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「あきんどPLAZA」の事務局です。 今年度第10号、10月12日号です。 10月12日は、1492年にコロンブスが率いるスペイン船隊が新大陸アメリカに到達した日です。アメリカ合衆国を初めアルゼンチン、チリなどアメリカ大陸の各国では大陸発見記念日とされているそうです。 ところが、コロンブスは西回りでインドを目指していて新大陸を発見したのですが、ご本人はインドだと生涯信じていました。このため、アメリカ大陸の先住民がインディアンと呼ばれたのはあまりにも有名ですね。コロンブスの出身国のスペインでは、彼の偉大な発見を記念して、イスパニアの日(イスパニア・デー)とされ、祝祭日となっています。 ところで、前々日の10月10日は第2日曜日。10月の第2日曜日は「商店街の日」とされています。これは、1997年に大阪市商店会総連盟が定めたもので、大阪市商店会総連盟のホームページによると、中世末から江戸時代にかけて大阪では10月に「夷講」という特別な行事が行われ、豪商たちが良品を格安に売出す日、と位置づけられていたそうで、そのことに因んで10月の第2日曜日を商店街の日と定めました。毎年この日に大阪市では「御堂筋パレード」が実施され、この日をメインに大阪市商店会総連盟加盟の全商店街が足並みそろえての感謝イベントが繰り広げられます。御堂筋パレードは終わりましたが、大阪の商店街はまだまだイベントが盛りだくさん。皆様も1度訪れてみてはいかがですか。 さて、今回は以下のメニューでお届けします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。
青森市新町商店街の一店逸品運動 本稿のまとめに替えて、昨年からお手伝いしている、青森市新町商店街の一店逸品運動についてご紹介する。 ■個店の活性化が急務 新町商店街は、JR青森駅前に位置し、150店ほどからなる、青森市の中心商店街である。同商店街では、近年、数々の事業を、積極的に展開してきている。再開発ビル「アウガ」のオープンやパサージュ広場の整備、さらに、さまざまなイベントも開催している。こうした、環境整備やソフト事業により、同商店街の通行量は、増加に転じている。 しかし、通行量の増加にもかかわらず、個店の売上は増加していない。こうした現状をから、新町の活性化には商店街事業の実施とともに、個店の活性化が不可欠であることを、痛感し、昨年春から、一店逸品運動に取り組んでいる。 ■研究会主体に進める 研究会開催に先駆け、逸品講習会を数回開催し、広く参加店舗を募った。基本的には、逸品研究会への出席を、逸品運動参加の条件にしており、前向きな商業者による運動を目指した。 研究会は昼と夜の2部に分けて、月1回開催された。今回の参加店の中には、飲食店も多く、夜の会合では出席できないお店もあったため、昼の部を設けた。昼の部は1グループ、夜の部は3グループに分かれて、グループディスカッションを行った。当初は、グループ内の他のお店をお互いに見学したり、おすすめ商品の選定を行うなどして、仲間意識を盛り上げた。結果的に、研究会では本音で逸品について語り合うことができ、逸品のレベルアップにつながったようだ。 ■逸品フェアで新規客開拓 約1年間かけた、逸品研究会のお披露目として、第1回一店逸品フェアを、本年3月に開催した。逸品に対する、お客様の関心度は高く、多くのお客様が来店された。また、「こんな企画を待っていました」といった、声も多く聞かれ、商店街活動としての評価も得られた。逸品を通じて、個々のお店に対して、お客様が関心を向けてくれたために、新町商店街の専門店の良さを、お客様にアピールできたことは、何よりの成果であった。 さらに、参加店へのアンケートによれば、逸品によって新規客を開拓できたとするお店が43%、逸品を購入したお客様の実に7割が新規客という結果であった。逸品を通じて、「新規のお客様を開拓できた」と言い切ることができる。逸品が、お客様にお店に立ち寄るきっかけづくりとなり、結果的にお買い上げにつながったのである。 ■振り返ってみれば・・・ 「本当によいものとは」「お客様に喜んでいただけるものとは」「お店の特徴を表現できるものとは」等々、新町の研究会では、真剣な議論が繰り返された。しかも、真剣な中にも、和気あいあいとした雰囲気の研究会であった。かなり辛口な発言や指摘があったにも関わらず、貴重な意見としてお互いに受け止めることができたのは、港町青森の地域性なのかもしれない。また、新町商店街に対する、お客様の期待感の大きさを感じて、「中途半端な商品を逸品として出せない」という意識が、参加店に強かったのも印象的であった。「青森では一番の商店街」としての自覚が、研究会の質を高めたと言える。 一店逸品運動は、一つの商品やサービスといった、点からのスタートのため、商店街の活性化というゴールまでには、ある程度の時間を要する。したがって、目先の結果に左右されない、長期的な取り組みが大切である。すなわち、今回の参加店のような、まじめな取り組みをしてくれるお店を、着実に増やしていくことが、新町商店街全体の活性化につながるのである。 本稿では、一店逸品運動についての記述にとどめ、あえて、具体的な逸品のご紹介はしなかった。まずは、「逸品運動そのものについて正しいご理解をしていただきたきたい」という私の思いからである。さらに、逸品についてご興味のある方は、拙著「一店逸品運動」(同友館)をご一読いただければ、幸いである。
IT活用で中小商店の未来は変わっていく 10回の連載も今回で終わりです。皆様のお店へのIT利用のご参考になったでしょうか。最後に、復習をしてみたいと思います。一番に申し上げたいことは、ITの特性、使い道が、以前と比べて大きく異なってきているということです。ここを押さえておくのが一番重要なことです。特性の違いをまとめてみます。 ■ITは、効率化の道具だけではなくなった 10年ほど前まで、主にITは効率化の道具でした。給与計算、経理処理、売上集計などが、そろばんや電卓で処理するよりも、速くなるということでした。今でも、もちろん、効率化のためというのは大きな使い道です。けれど、それ以外に、インターネットが登場して、ネットショップや製造業のインターネット営業という使い方が出てくると、効率化だけが目的ではなくなりました。ITで販売、接客、営業、仕入れ、協業など幅広い使い方がされるようになってきました。従業員教育まで、ITで行っている店もあります。 ■IT機器は、使いやすく、大幅に安くなっている 以前は、パソコンは訳の分からない呪文のような文句を打ち込まなければならず、決して人間に優しいものではありませんでした。今でも、十分に優しいわけではないのですが、以前に比べると、格段に使いやすくなっています。おまけに、安くなっています。以前は50万円もしていたパソコンが、10万円程度になっています。いいことだらけのようです。けれど、ここが危ないところでもあります。以前は、ITは高いし、使いにくかったので、ITを使いこなすのは、ある程度の規模で、IT専任者もいるような企業に限られていました。けれど、今は、となりの小さな八百屋さんでも、気がつくとITを使って、売上を上げている時代です。ITなんて、うちには関係ないと、うかうかしていられないのです。 ■ITツールは出揃った 皆様は、今までどのようなタイミングで、IT導入を考えてきたでしょうか。POSが流行るとPOSレジを購入し、ポイントカードが流行るとポイントカード、次はインターネットショップという具合だったのではないでしょうか。けれど、そのITツールが、皆様のお店にぴったりだと、誰が言ったのでしょうか。ITツールは、出てきたから導入するものではないのです。自分のお店の商売のあり方を考え、その商売のやり方に合ったIT機器、使い方を取り入れるのが基本なのです。 そういう意味では、POSにこだわって使いこなし、売上を上げている店があります。ポイントカードと顧客データベースで、個客商売をうまく展開している店もあります。ITツールは、十分に出揃っています。改めて、皆様のお店にぴったりのITツール、使い道を考えてみてください。 ■ITは進化し続けている ITは今でもとんでもないスピードで進化し続けています。インターネットショップの集客方法もホームページ中心からメルマガ、そして最近はホームページ上で簡単に日記などを公開できるブログというものが流行っています。POSも、単体のPOSレジをインターネットを使って、簡単に複数店舗の集計ができるインターネットPOSというサービスが登場しています。インターネット端末は、パソコンだけでなくなり、携帯電話の存在も大きくなっています。その携帯電話も写真が撮れたり、動画が送れたりと、無限の進化を続けています。 隣のお店が急に繁盛していると思ったら、お客様に携帯電話で動画を送り、集客に励んでいるかもしれません。是非、隣のお店より先に、IT化を進め、これからの時代に対応した繁盛店をつくってください。 それでは、10回の連載にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。皆様のお店がユニークなITの使い方で繁盛しているという噂を、どこかで聞けることを楽しみにしております。
近年、全国的に中心市街地への集客の減少、小売業販売額の低迷等といった状況が続き、中小小売業者を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっていますが、そのような中にあって、当局管内の大須(おおす)地区(名古屋市中区)は地元商店街の努力により、かつての賑わいを取り戻していますので、ここにご紹介します。 ■商店街の概要
■商店街活性化への取り組み経緯 門前町としての大須は、商業の街として戦前まで大いに発展してきました。しかし、戦後、徐々に衰退の一途をたどり、名古屋市の中心地区である栄地区との間に若宮大通り(幅100mの道路)ができると「陸の孤島」化し、人通りの寂しい空き店舗ばかりの商店街になってしまいました。 昭和50年頃、この現状に危機感を抱いた地元商店街は大学の先生や専門家などと協力して「大須大道町人祭り」等の仕掛けを連続して行うとともに、これと前後して特徴ある大型店(中古品のリサイクルも行う家電、パソコン等の販売店)が出店してきたため、人通りが変わり、空き店舗が埋まっていきました。 ■商店街の特徴
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