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 「あきんどPLAZA」の事務局です。
 今年度第9号、9月27日号です。
 さて、9月27日は「世界観光の日」。これは、世界観光機構(WTO)が制定しているものです。世界観光機関(WTO)は143カ国が加盟している観光分野の国連専門機関です。その唯一の地域事務所であるアジア太平洋事務所が日本の大阪府に開設されています。今日は、世界観光機構・アジア太平洋事務所のホームページで、世界の観光の状況を勉強してみました。2003年の国際観光客数は全世界で694百万人で、前年に到達した7億人を僅かに割り込みました。国別の訪問観光客数を見ると、1位はフランスで75百万人、以下2位がスペイン、3位がアメリカとなっています。2003年は10位まで記載されているのですが、10位以内に日本は入っていません。そこで、全順位がわかる2001年の数字で見ると日本は36位で477万人です。国際観光収入では、1位がアメリカで651億ドル、以下2位がスペイン、3位がフランスとなっています。10位のギリシャが107億ドルで、日本は10位以内には入っていません。また、国際観光支出(2001年)について見ると、1位がアメリカで589億ドル、以下2位がドイツ、3位がイギリスで、4位に日本で265億ドルとなっています。日本の観光の国際収支は赤字続きという訳です。日本の海外旅行者が年間16百万人~17百万人ですから、訪問者数より1千万人以上多いことになります。
 しかし、日本を訪れる海外旅行者は年々増加しており、2002年には524万人と過去最高を記録しています。商店街としても、今後ますます海外からの訪問客の方々に、日本の素晴らしさを感じていただく工夫が必要かもしれませんね。

さて、今回は以下のメニューでお届けします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。


一店逸品運動でいきいき商店街(第9回)
└ (株)ワイ・キャップコンサルティング 代表取締役 太田巳津彦
これならできる!ITで商売繁盛(第9回)
└ NATUコンサルティング 代表 青木悠子
<経済産業局レポート>
アーティストとレトロで織り成す賑わい創出(横川商店街の挑戦)

└ 中国経済産業局
お知らせコーナー




 【 第9回 】
 (株)ワイ・キャップコンサルティング 
  代表取締役 太田巳津彦

逸品が決まったら、いよいよフェア開催

■逸品さがし、逸品づくりのポイント
逸品を発掘したり、開発する際に、参加店が留意すべきポイントを、まとめると、以下のようになる。
(1) お店の特長は何か、お客様との接点になる商品は何か
逸品という商品を通じて、お店として何を伝えたいのかを、はっきりさせること
(2) お客様の立場に立って逸品を選定、開発すること
逸品は、売り手の独りよがりの商品ではいけない。お客様の立場から逸品の選定や開発を行うことが大切
(3) よそ者の意見をよく聴くこと
自分のお店の特長や個性は、意外とわからないものである。商店街の仲間やセールスマンなど、いわゆる他人の声に耳を傾けることが大切
(4) 今扱っている商品の中に隠れ資産はないか
何十年も商売を続けていると、毎日の商売の中で、おすすめ商品が埋もれてしまい、いわゆる隠れ資産になってしまっていることがある。こうした隠れ資産を、掘り起こして、磨きをかけて表舞台に出すことで、逸品として輝く
(5) 逸品の表現はわかりやすく
逸品には説明がつきものだが、それだけに、逸品の特長や、お店の思い入れは、わかりやすく表現されていなければならない
(6) 逸品をおすすめすること
逸品をきっかけに、新しいお客様の開拓や、お店の告知を積極的に行うこと。お店を再認識していただく、よいきっかけにすることも大切である。

■一店逸品フェア
逸品が決まったら、お客様へのお披露目として、一店逸品フェアを開催する。
(1) 逸品フェア開催
およそ10日から2週間に亘って、一店逸品フェアを開催し、各店の逸品を紹介する。フェア期間中は、店頭での試食販売や店頭ディスプレイで、一人でも多くのお客様に逸品をおすすめする。また、逸品巡りツアーやスタンプラリーなどを行い、各店をひやかしてもらうような、工夫も必要である。
(2) 効果的なフェアの開催方法
実際、「逸品」といっても、お客様には、まだなじみがなく、「集客力」という点では、逸品フェアは決して強いとは言えない。したがって、店頭まで、お客様に足を運んでいただくための工夫が必要になる。
たとえば、アーケード改修記念イベントとして逸品フェアを開催したり、ウォークラリーと併せてフェアを開催するなど、集客力のある事業とのセットで逸品フェアを開催すると、より効果的である。また、スタンプラリーや、逸品巡りツアーなど、お客様に各店を、気軽にひやかしていただくための、仕掛けも必要である。
(3) 反省会
逸品フェアの開催期間中と、フェア終了後の2度、反省会を行う。1回目の反省会は、フェアをより効果的に行うために、軌道修正をするための反省会である。2回目の反省会は、次回以降の逸品フェアに役立てるためのものである。また、参加店舗に対して、アンケートを実施して、お客様の反応やお店の対応などを、資料として残しておくことも大切である。




 【 第9回 】
  NATUコンサルティング
  代表 青木悠子

ネットショップ繁盛店と繁盛しない店の違い

 クリック&モルタル、ホームページづくりとお話してきましたが、やはりネットショップをやってみたいというお店も多いようです。
 ネットショップで売上を上げるのは難しいことではありません。いまだに、「『楽天』で売れているショップは、全体の○○%だ」なんて、議論をする方がいるのは、本当に残念なことです。
 今回は、ネットショップ繁盛店と繁盛しない店の違い、ネットショップを始める前の注意点についてお話します。

■繁盛ショップは簡単につくれる
 ネットショップを繁盛させている方、失敗している方、多くお会いしてきました。その違いは、能力でもなんでもありません。やるかやらないかだけです。たとえば、『楽天』に入るとします。『楽天』で売れるノウハウは、秘密でもなんでもなく、様々な形で公開されています。『楽天大学』という研修がありますが、この研修にたくさん参加したショップほど、繁盛していることは証明済みです。ホームページを出しさえすれば売れるほど、甘くはありません。それに、『楽天』には、電話で相談できるスタッフもいるのですが、このスタッフに積極的に相談するショップも繁盛店の特徴です。
 新潟県の米屋、【うんめ米屋らいね!番作は】は、ご飯のおいしさをどうやったら表現できるか悩んでいました。そこで、『楽天』スタッフに相談したところ、子供がおにぎりを頬張る写真を載せることを提案されました。最初は、一枚だった子供の写真ですが、今では何人もの子供の写真がトップページを飾っています。他の食品のショップでも、子供が食べている写真を多く見るようになりました。写真ひとつが、ネットショップではだいじかを示す出来事です。
 『楽天』に出さない場合のノウハウは、『楽天』とやや異なります。しかし、今では、ネットショップ関連の本も書店にたくさん並んでおり、講習会もあちこちで開かれています。
 今では、このようにネットショップの先人達がつくり上げたノウハウを、いとも簡単に入手できるのです。後は、自分の手で、自店のショップに合った形で、実現していくだけです。
 学習と実践、これが、ネットショップ繁盛のすべてです。

■ネットショップを始める前に
 ネットショップは、今でも成長市場、やれば売れるから、どんどんやってください、と言いたいところですが、ちょっと待ってください。その前に、考えて頂きたいことがあります。ネットショップを始めて努力すれば、誰でも売れるとはその通りです。けれど、それに伴う労力も必要です。店主がひとり、ふたりでやって繁盛している店は、ネットだけの店であることが多いようです。実店舗を少人数でやっていれば、そうは労力もかけられない。これが、現実ということも多いのではないでしょうか。
 ネットショップで、どの程度売れるのでしょう? 月額1,000万円でも夢ではありません。けれど、それだけの売上を上げるための受注作業、発送作業は半端なものではないでしょう。月額10万円でも売れたらよいという店もあるでしょう。年商10億円以上の店では、ネットで1億円売り上げるより、実店舗に力を入れたほうがよい場合もあるかもしれません。
 少しの手間で、月商10万円でもよいという店は、『楽天』に入ると利益が出ないことになります。
 また、楽天では売上は上がるけれど、自社で造った製品をその価値を分かってくださるお客様にだけ売りたいから入らないという選択もあります。
 ネットショップは、手間をかけさえすれば売れます。けれど、その手間はかけてもよい手間でしょうか。どの程度、ネットで売り上げたいのですか。是非、ネットショップを始める前にそれを考えてから始めると、自店にとって一番よい道が見えてきます。





アーティストとレトロで織り成す賑わい創出(横川商店街の挑戦)
中国経済産業局 流通・サービス・商業室

 広島では今年3月、広島駅を挟んで東西の隣接駅前に対照的な町並みが誕生した。東の天神川駅には205のテナントを擁する近代的大型複合商業施設の「ダイヤモンドシティ・ソレイユ」が、西には駅舎改築と駅前広場が整備されレトロバスが復元された下町情緒豊かな「横川地区」がそれである。
 このたび、横川商店街振興組合の村上副理事長、スーパーストア「(株)フレスタ」の山城取締役業務本部長、レトロバス復元の会事務局の三篠公民館福本主査に最近の状況や街づくりへの思いを伺う機会を得たので、横川商店街と地域の関係者が連携した取り組みを報告します。

■横川地区、横川商店街の概要


 広島から西へ一駅の横川駅周辺は、国道54号線、JR、路線バス、路面電車が広島市の中心部と北部・西部とを結ぶ交通の結節点にあたる。しかし、路面電車がJR横川駅から離れて国道中央に電停があったため車線不足等から慢性的な交通渋滞を起こしていた。このため、関係機関が協力し、H15年3月にはJR横川駅前広場への路面電車の乗り入れが、H16年3月には駅舎改築と駅前広場改築が行われた。

 横川商店街連合会は横川駅周辺の6つの商店街からなり、延長500メートル、200店舗で構成されている。恒例のイベントやチャレンジショップの運営、広報誌の発行、エコステーション、ポイントカード等「親しまれ、愛される商店街」をキャッチフレーズに積極的な取り組みが行われている。レトロバスの復元やアーティストとの連携で地域の活性化と商店街の新たな飛躍を目指している。


■「アーティストに優しい街」の出会いと仕掛け
 商店街の村上氏がかわら版の普及に訪れた公民館を通じて、広島市立大学芸術学部の卒業生十数名でつくるクリエーター集団「シータ・プロジェクト」の代表と出会ったのが始まり。
 シータ・プロジェクトは映像、音楽、グラフィックの3分野の企画・制作を行うクリエイトチームで、2000年に結成されたが、活動の拠点を探していたところ、商店街の空き室を提供してもらうこととなったもの。以来、アーケード街での紙コップアート、映像と音楽を組み合わせたイベントの開催やスタジオや横川シネマでの自主作成映画や芝居の上演など商店街の賑わい作りに大きな役割を担うとともに、自らの作品の発表の場として地域に根付いた活動を続けている。
 1999年にリニューアルした横川シネマは、ドキュメンタリーや海外のアニメ、若手監督の作品を中心に上映するほか、音楽や演劇、映画監督を招いての講演会などを中心に、採算は悪くても秀作を発信し続けることを経営理念として今日まで経営されており、公民館との連携による映画セミナーの開催など年々地域との輪が広がってきている。

■レトロバスの復元と活用
 横川は1905(明治38)年に日本で初めて国産乗り合いバスが走ったところで「バス発祥の地」といわれている。商店街や地元関係者から構成される「レトロバス復元の会」が活動の中心となり、約100年ぶりに復元され、今年3月28日にお披露目のイベントが行われた。2002年から2年間、当時の写真や文献から形、色やサイズを調べながらの作業であった。全長4.3m、高さ2.5m、長いすの対面式で12人乗り。軽自動車のエンジンを搭載している。
 イベントでは、初めてバスが走った「可部―横川間」14.5kmをパレードするとともに、かよこと武吉が乗り合いバスを舞台に繰り広げる「かよこ物語」の発表やかよこブランドのお酒、弁当、三篠神社の絵馬、バスのチョロQ等のみやげ物も商店街とメーカーの連携で10種程開発され販売された。
 このレトロバスは9月19日の広島バス祭りに出展されるなどシンボルとして活躍が期待される。

■アーティストとレトロバスの広がり
 およそ1年前の商店街のアートイベントに関わってきた4人が演劇集団「ブンメシ」を立ち上げた。商店街からスタジオ等の提供を受け練習・発表等活動の拠点として構えている。
 設立後、「レトロバス復元の会」が復元作業を続ける中、完成のおよそ5ヶ月前に地区の住民がこの取り組みを広く知ってもらおうと、オリジナルの音楽劇の上演を企画、公募で集まった小中学生30人が子供音楽劇「レトロバス物語」(主催はレトロバス復元の会及び三篠学区子供会育成協議会)を演じたが、この脚本、演出、演技指導、舞台監督をブンメシが担当し、さらには今年になり、数度の本格的な公演を行い、大成功を収めている。
 一方、レトロバスを映画化しようということで、商店街とシータ・プロジェクトの神酒監督を中心に自主制作に乗り出した。広島市立大学の学生や卒業生などゆかりの俳優とスタッフと住民が参加して約1年後の完成を目指している。

■おやじの連携で居酒屋復活
 中年男性の市民グループ「おやじ活性化委員会」は「みんなが元気を出すにはまずおやじが元気になろう」と4年前に発足した緩やかな組織(会員登録や規則等がないボランティア団体)で、市内広域に音楽会などの活動を多数展開している。横川地区の商店主等も一部参加していることからレトロバス復元プロジェクトにも協力してきたところ、3年前に閉店した他地区の居酒屋を横川の空き店舗に移転再建する企画が横川商店街のメンバーから出された。当時の常連客が同委員会のメンバーにも多く、仕事帰りに、廃材等をもちより、改装作業を行い昨年オープンした。同時に居酒屋の2Fをおやじ活性化委員会の事務局として、横川の活性化に繋がる企画を仕掛けていく拠点を構え、地域とより深いつながりを持つようになった。

■横川商店街に見る活性化のポイント
 今回、関係者にお話を伺い、状況を見てきた感想としては、たいへん元気な街、元気な人が多いとの印象を強く持った。中心市街地の活性化等に多くのヒントが示されている。試みにポイントを整理すると次のようにまとめることが出来る。
(1) 関係者(住民、行政、商業者、大学、交通機関等)の有機的な連携が図られ、ハードとソフト事業が調和している。
(2) 地域に埋もれた資源(今回はバスだが)を発掘し、物語を創作するという付加価値を付けて経営資源として活用している。
(3) ボランティア精神あふれる多様なヒューマンネットワークを構築し活用している。
(4) サービス経済化が進展する中で、映像、演劇、音楽等文化産業のメッカとして、商店街全体がインキュベーションの舞台装置となっている。
(5) 商店街では、他の商業施設にはない“人と人のつながりを大事にする”ことで非価格競争力をつけている。また、モノ+サービス、専門性を活かした品揃えなど魅力ある店舗経営(魅力ある店主)を目指す個店が多い。
(6) リーダーと各分野の推進担当等との意思疎通が良く図られている。

■終わりに
 横川地区を小学校区で見ると、人口は約18,000人の町。この横川地区に明治、大正期から操業開始し優良企業へと育った、スーパーストアの「(株)フレスタ」、針の「万国製針㈱」、競技用ボールや工業用ゴム製品の「(株)モルテン」、「(株)ミカサ」、みそ醸造の「新庄みそ(株)」、調味料の「オタフクソース(株)」などがあり、昔からベンチャーを育む土壌があると考えられる。
 今回は、取り組みの一端をご紹介させていただきましたが、まだまだ多くの課題も抱えており、今後、一層の賑わい創出により、新たなビジネスチャンスを広げ、より多くの都市型産業が生まれる、インキュベーション街となることが期待されます。同時にこのチャンスを活かして商店街等から新しい商業(モノ+サービス)が生まれることを期待して止みません。


お知らせ

TMO活性化推進シンポジウムin青森が開催されます。

 「TMO活性化推進シンポジウムin青森」は、コンパクトなまちづくりを目指した中心市街地活性化の取組み事例を通して、まちづくりに携わる行政、TMO、商店街、NPOなどの役割を討議し、連携によるまちづくりを推進することを提案するものです。
主 催: 経済産業省中小企業庁、東北経済産業局
開催日: 10月4日(月)~10月5日(火)
場 所: 青森グランドホテル(青森市新町1-1-23)
詳細はこちらから!


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【発行日】2004年9月27日
【発行】全国商店街振興組合連合会 企画支援部
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