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「あきんどPLAZA」の事務局です。
 今年度第15号、12月27日号です。

 さて、クリスマスも終わり、いよいよ平成16年も終わりが近づきましたね。「あきんどPLAZA」も今年最後の配信です。
 今日は12月27日。この日は、かの有名な東京の浅草寺門前にある浅草仲見世が1885(明治18)年に新装開業した日とされています。そこで、浅草仲見世商店街振興組合のホームページで歴史を勉強してみました。仲見世は徳川家康が江戸幕府を開いてから、江戸の人口が増え、浅草寺への参拝客も一層賑わい、浅草寺境内の掃除の賦役を課せられていた近くの人々に対し、境内や参道上に出店営業の特権が与えられたのが始まりで、元禄、享保(1688~1735)の頃だそうです。こうして江戸時代には茶屋や、玩具、菓子、みやげ品などを売る店が軒を並べ、次第に店も増え日本でも一番形の整った門前町へ発展していきました。ところが明治維新により、寺社の所領が政府に没収され、浅草寺の境内も東京府の管轄となりましたが、政府は新しく東京に5公園を作り、公園法を制定して以前からの一切の特権が仲見世から取り上げられてしまいました。
 明治18年5月(1885)東京府は仲見世全店の取り払いを命じ、泣き泣き退店した後、煉瓦造りの洋風豊かな新店舗が同年の12月に完成、近代仲見世が誕生したそうです。その後、関東大震災、東京大空襲などの苦難を乗り越え、1985(昭和60)年には、近代仲見世誕生100周年記念行事が行われ、現在に至っています。詳しくは、浅草仲見世商店街振興組合のホームページ(前掲)を見てくださいね。

 それでは今回は以下のメニューでお届けいたします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。


イギリス、フランスの街づくり・店づくり最新事情(第3回 フランス編)
└ 株式会社エフ・ビー・シー 取締役所長 出口巳幸
お客様の心をキャッチする店づくり(購買心理を活用した店づくり)(第5回)
└ 有限会社テオリア 取締役社長 八木田鶴子
<経済産業局レポート>
「~ トンヤ de サファリ 2004 ~」

└ 関東経済産業局 流通・サービス産業課 商業振興室
<平成16年度 第1回あきんどPLAZA アンケート調査結果>
お知らせコーナー




  【第3回 フランス編】
  株式会社エフ・ビー・シー
  取締役所長 出口巳幸

■ワインの酒蔵を活用した地区再生のスポット
 パリ南東部に位置するベルシー地区は、1980年頃から開発が始まり、ベルシー公園の整備、複合スポーツ施設パレ・オムニススポーツ・ド・ベルシーや見本市会場ベルシーエキスポの建設などが行われ、1998年この地区中心部にワイン貯蔵庫を改装した商業施設ベルシー・ヴィラージュがオープン。地下鉄14号線も開通し、平日はランチタイムの勤め人や観光客、週末には家族連れで賑わっている。
 1960年代後半から70年代にかけてワインの物流が陸上輸送に変わり、ワインの物流基地としての酒蔵の機能はその役割を終えた。この42の酒蔵を改装し、そのイメージをまちづくりに活かして開発された。
 商業施設は、ワインに関連する飲食店が10店、生活雑貨やレジャー、カルチャー関連が18店、他にシネマコンプレックス、ホテルなどのサービス施設、菓子職人養成学校、美術館などで構成されている。

■都心のニーズに応えた高級スーパーマーケットとブティックで構成された施設
 パリの凱旋門の西に位置するポルトマイヨーは、高層ビルが立ち並ぶラ・デファンス地区にも近く、周辺には高級住宅地や大型都市ホテル、国際会議場のパレ・デ・コングレがある地区。この国際会議場は2000年に大規模な増床・改装が行われ、その中に新しく商業施設ラトリウム・ドュ・パレが誕生した。
 商業施設は、高級な食材や年代ワインなどを品揃えをした高級スーパーマーケット、老舗の高級食料品専門店、惣菜店、ファッション関連の専門店などで構成されている。商圏内の高所得者やホテルの観光客等のニーズをよく捉えた施設となっている。

■古いパサージュをリニューアルし魅力ある商業スペースとして再生
 パリ中心部のサン・ラザール駅周辺は、高速鉄道網や地下鉄網、路線バスターミナルなど公共交通機関が集中し、パリで最大規模の百貨店ギャルリー・ラファイエットやプランタン、オスマン商店街などが集積。駅前に位置するパサージュ・デュ・アーヴルは、1895年に開業し1997年リニューアルオープンした。
 このパサージュの商業施設は、地上2階、一部4階、地下1階の構造で、他に住居スペースとオフィス施設で構成されている。テナントミックスでは、マルチメディア関連の大型複合専門店が核テナントとして出店し、準核テナントはファッション大型専門店、他に衣料品やカルチャー、ホビーなどの専門店が出店。集客力があるターミナル立地を活かしたパサージュの再生を図っている。

■旧高架橋下を改装したスペシャリティな店舗の集積
 パリ東部のバスティーユ地区から東へのびる旧高架橋を緑歩道として1983年に計画され、歩道の整備後、高架橋下の71の丸天井を店舗として活用したのが商業施設ヴィアデュック・デ・ザール。
 施設は、美術工芸やその修復、アトリエ、ギャラリー等アート関連から、アンティークショップ、アンティークスクール、展示ホール、レストランやカフェなど個性的な店舗で構成され、地下には駐車場が完備。
 アート関連のイベントを数多く実施し、多くの人々が来街するスポットとなっている。

■フランス・パリの既存施設等を活用したまちの再生
 フランスにおける商業行為は、歴史ある商業法典と呼ばれる一連の法律や1973年のロワイエ法、1996年のラッファラン法などにより規制されている。こうした政策から新しい業態店の開発や欧州最大のカルフールのグローバル戦略、伝統的な小売業の動向など流通業界は新たな展開を示している。
 パリの中心部においては、古き良き時代の施設や伝統などを基本方針として、再々開発や地区の再生が行われている。ベルシー・ヴィラージュではワインの物流基地や貯蔵庫、ラトリウム・ドュ・パレでは高級で伝統的な食材ニーズ等、パサージュ・デュ・アーヴルでは建物を活かして最新のテナントミックス、ヴィアデュック・デ・ザールでは高架橋下をスペシャリティ商店街にするなど、歴史的なあるいは立地的な遺産を上手にコンセプトとしてまとめ、まちづくりに活用している。




 【第5回 】
  有限会社テオリア
  取締役社長 八木田鶴子

店頭前陳列についての関係者の心理

 多くのお店では、店頭前に商品を置いて、お客様の目を引こうとしています。はたしてこれはほんとうにお客様を引き込むことになっているのでしょうか。

■お店側の心理
 <事例1>
 地域一番店といわれるほどのA洋品店。店舗は前面がガラススクリーンで店内見通しがよく、開放感があります。品揃えもよく、販売員の接客技術も優れており、固定客はたくさんついています。店内は大変美しくかつ見やすい・触りやすい・買いやすい陳列です。ところが店頭がどうも店内の素敵な雰囲気とそぐわないのです。入り口の1m部分を除いて、店前に商品と置き看板がごちゃごちゃと並んでいるからです。フリーの通行客にとにかく店内に入ってもらおうと、安い商品で気を引こうとしているのです。そうした商品がだんだんと多くなり、お店の視認性は低くなっています。入り口付近が狭い通路状態になってしまい、フリー客にはかえって入りにくくなってしまいました。
 <事例2>
 B和菓子店の左隣はディカウント店で、店前に大量に商品を積み上げています。また右隣は銀行で、店前には銀行に来る客の自転車でいっぱいです。お店はセットバックが2mほどあり、左の店前陳列と右の自転車に埋もれてしまい、視認性が悪くなってしまうことへの対抗上でしょうか、店前道路ぎりぎりまでワゴンを置いて商品を販売しています。ワゴンで販売しているのは、単価が安く一般的な和菓子のダイフクや団子などをプリパックしたものです。店舗前面はガラススクリーンで見通しがよく、店内には、お店の独自商品である和菓子がショーケースに入って販売されています。お店の前を通るとき、店内で買い物をしているお客様を見かけることはそう多くはありません。お店のなかで売れないので、どんどん店前までのワゴン販売の比率が高くなっていきます。

■お客様の心理
 上記にあげたような販売方法へのお客様の反応はどうなのでしょうか。八百屋さんのような業態ではそうした販売方法が合っています。お客様は目の前に並べられた野菜や果物を見比べながら短時間で買うことができるからです。
 ところが、ブティックの店の前の商品については、いつも同じ商品が表に出ていると汚れているだろうなと思います。そのまま口にいれる食品については、表で売られているのはチリやホコリがついているだろうなと躊躇してしまいます。出したそばからどんどん売れていけば別ですが。

■店前通行人の思い
 ある商店街で来街者アンケートをしました。回収総数の約7割にも当たる方が、お店のはみ出し陳列について自由意見欄に厳しい意見を述べていました。はみ出し陳列のせいで道幅が狭くなり、通行の邪魔になる、子供連れなので歩きにくい、乳母車や車椅子が通れない、そこに自転車も通るのでとても危険を感じるなどなどです。

■お店の中にお客様が入ってこそ利益につながる
 一般的に店前に陳列する商品はセール品とか特価品、お買い得品など、価格でお客様を引き寄せようとする商品です。利幅も多くないでしょう。
 お客様のなかには、こうした商品を買うためにお店の中に入り、たくみな接客販売技術でその後固定客になるということもありえます。
 しかしながら多くの場合、価格のみを購買動機にしたお客様は、その場限りか、いつもそうした価格訴求の商品だけを買う方です。そればかりか、安い商品を買うため店内に入ると接客されてそのほかの商品も買わされる、という印象を与えたら、店頭の商品すら買わなくなります。そうした商品はほかの店に行けば売っているからです。
 利益商品はお店のなかにあるのですから、お客様がお店のなかに入ってこそ売上も利益も伸びていくのです。店頭前の商品陳列を見直し、すっきりと入りやすい店にすることが大事です。
 店頭の空きスペースには、季節感を感じさせるような展示商品やPOPで店内に誘導するような工夫をするとよいでしょう。また、プランターやグリーンなどを置くと気持ちが安らぐでしょうし、ちょっとした椅子やベンチなどをおくと買い物の整理などをするのにも便利です。





「~ トンヤ de サファリ 2004 ~」
関東経済産業局 流通・サービス産業課 商業振興室

中小企業庁では、平成15年度から中心市街地・商店街と文化服装学院との連携事業を推進しておりますが、去る11月18日(木)、衣料品などの繊維関連問屋が集まる東京都中央区日本橋馬喰町及び日本橋横山町の問屋街(問屋街活性化委員会)と文化服装学院が独自に連携した、『ファッション問屋街活性化企画~ トンヤ de サファリ 2004 ~』の研究成果の中間発表会が開催されましたので、ご紹介いたします。

■問屋街活性化企画の経緯
 日本橋問屋街は、ミセス向けの衣料を中心とした約400社が集積しており、300年の歴史がありますが、最近は問屋を通さない商取引など流通形態の変化等で厳しい経済状況に直面しています。生き残りのためには、「若い感性が必要」「感性豊かな若者と交流を図ることで街の魅力を高め、将来の顧客開拓や人材確保につなげよう」と昨年、中央区を通じて文化服装学院に連携を提案し、学院側も「学生が実際の商品やビジネスに触れ、実体験を積むという教育効果が得られる」と賛同し、昨年度から3年計画で問屋街活性化企画がスタートしました。

■学生達の活動内容
 ★プロモーション企画・制作(ファッション情報科2年)
 プロジェクト全体をプロモートするために、新聞の折り込みチラシ、ホームページ及び公報ビデオを作成しました。また、シンボルマークのリニューアルやのぼり旗、学生達が街で付けるIDカード等を作成しました。

 ★FB調査隊報告(ファッションビジネス科1・2年)
 学生達が現金問屋街を歩きながらウオッチした内容や、23名の学生が企業に10日間のインターシップを行った報告がなされました。学生からは、「一般客はお断りで敷居が高い街だったが、授業をきっかけに興味がわいた」「仕事の厳しさが実感でき、進路の参考になった」と発言があり、評判は上々でした。

 ★セレクトショップ企画とバイヤー実務の実戦と販売(ファッション流通専攻科ビジネス専攻)
 11月2日から4日まで文化服装学院の文化祭期間中に、問屋街で取り扱っている商品を販売するため、学院内にある「ショップ501」を「コモエスタ」と名付けて、商店の立ち上げ企画・準備・価格交渉・仕入れ・開店・販売に至る一切を、実践した結果が報告されました。

 ★ファッションショー(スタイリスト科2年)
 実際に問屋街で販売されている商品を、学生達が斬新な発想で組み合わせたファッションショーが行われました。ももひきをスパッツ代わりに着こなしたり、のれんをワンピース風に体に巻いたり、年配向け衣装が斬新な衣料に変身していました。また、足の運びも良くプロのモデルさながらの演技でした。

■問屋街活性化委員会の活動
 問屋経営者が交代で学院に出向き、ファッション流通課程の約1,200人の学生に「問屋概論」を9回にわたり講義しました。
 活性化企画に参加した問屋からは展示会やファッションショー等の為に4,000点を超える商品を惜しげもなく学生に貸出すことにより活動に参加しました。
 問屋街活性化委員会からは、「事業を開始して2年目のため数字的に成果発表できる段階ではないが、若い活力により街の雰囲気は確実に変わってきた。」「来年4月にはこの街に文化服装学院から5人の就職が内定しており、成果が出つつある」と報告がありました。
 問屋街と学院との商学連携により、問屋街の企画、商品、ブランド力を高め、今後の活性化が期待されます。




< 平成16年度 第1回あきんどPLAZA アンケート調査結果 >

平成16年10月15日に「あきんどPLAZA」号外版として実施させていただいた、第1回アンケート調査結果の概要についてご報告します。回答数は158件と少なめだったのですが、皆様、ご協力ありがとうございました。ご回答いただきました結果は、以下の通りです。

■前年同期と比較した現時点の景況感
 「悪くなった」69%、「良くなった」4.4%、「変わらない」26.6%となりました。これをDI値(「良くなった」割合から「悪くなった」割合を引いた数値)で見ると、▲64.6と依然として商店街の景況感は厳しいものがあります。

■商店街の現在の状況、停滞又は衰退している要因
 「繁栄している」が3.8%、「停滞又は衰退している」が96.2%となりました。
 また、「停滞又は衰退している」と回答された方にその要因をお聞きしたところ、上位3つの要因は次のとおりでした。
 1位 消費者ニーズの変化に対応できない個店が多い
 2位 商店街の個店の廃業等による空き店舗や空き地の発生
 3位 商店街の所在する市町村内において、大型商業施設をはじめとする新たな商業集積が形成されたこと



 調査結果は、貴重な資料として活用させていただきます。
 また、来年も同様なメルマガアンケートを実施する予定ですので、読者の皆様の更なるご協力(回答)をお願い申し上げます!



お知らせ

ベンチャーフェアJAPAN2005が開催されます

 ベンチャー企業と事業パートナー、投資家等とのマッチング、ベンチャー企業の開発した製品や提供するサービスの紹介等を行う日本最大級のイベントです。主催は独立行政法人 中小企業基盤整備機構で、入場は無料です。
→詳しくはこちらをご覧ください。
開催日 平成17年1月26日(水)、27日(木) 10:00~17:00
会 場 東京国際フォーラム 展示ホール1・2
(東京都千代田区丸の内3-5-1)
主 催 独立行政法人 中小企業基盤整備機構
後援(予定) 経済産業省中小企業庁、独立行政法人 雇用・能力開発機構
入場料 無料


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【発行日】2004年12月27日
【発行】全国商店街振興組合連合会 企画支援部
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